医療法人徳洲会 大垣徳洲会病院

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診療科・部門案内

診療科・部門案内

循環器内科(不整脈部門)

2020年度より循環器内科不整脈部門を新設しました

診療方針

不整脈科では循環器疾患の中でも「心臓のリズム」異常、いわゆる「不整脈」と呼ばれる病態治療を専門とする他施設の一般循環器科にはない特色を持ち合わせた診療科です。診断困難な不整脈の心電図診断をはじめ、不整脈によると考えられるあらゆる病態・症状に対処すべく、当院循環器内科・心臓血管外科と密接な連携をもちながら、診療を行っています。

不整脈疾患は、突然死に至る重症不整脈から生命には影響を及ぼさないが日常生活(QOL)に支障をきたすものまで様々に存在します。多様化する病態を特徴とする不整脈の治療の第一歩はその原因となる不整脈の確定診断となります。これは不整脈発作時あるいは動悸や胸部不快感などの症状出現時に記録された心電図が非常に重要です。逆に発作や症状がない時の心電図のみでは不整脈の確定診断が不可能ということになります。これを捉えるために運動負荷心電図や長時間心電図(24時間ホルター心電図と呼ばれるもの)、さらに発作あるいは症状出現時のみ記録可能であるイベントレコーダー記録を行い、診断をつけます。また原因不明の失神に対しては、自律神経調節異常に伴う血圧低下や失神の可能性(迷走神経媒介性失神)があり、これらを診断する目的でヘッドアップチルト検査も行う事が可能です。これら諸検査を行っても原因となる不整脈心電図が得られない場合は不整脈のカテーテル検査(臨床電気生理学的検査)を行います。

原因となる不整脈の心電図診断がつけば治療となります。治療はそれぞれの不整脈病態に合わせて薬物内服治療から不整脈科の特色であるカテーテル心筋焼灼術(アブレーション)による根治治療、失神などを起こす徐脈性不整脈に対してはペースメーカー植え込み術、突然死の原因となりうる致死的不整脈(心室細動など)に対しては除細動器(ICDと呼ばれる)植え込み術、さらには薬物・点滴治療抵抗性の重症心不全患者に対する両心室ペーシング治療(CRTと呼ばれる)を行っています。

I) 薬物治療

種々の抗不整脈薬とよばれる内服薬治療が主体です。抗不整脈薬は他の一般薬と異なり、心臓をはじめとする身体への影響が懸念されるため、豊富な知識と経験が必要となります。当科では様々な大規模試験の結果をふまえ、10年以上不整脈診療に携わった医師による外来診療を通じ、患者様へ安心して頂ける薬物内服治療を行っています。

II) 頻脈性不整脈に対するカテーテル心筋焼灼術(カテーテルアブレーション治療)

1990年はじめに本邦で本治療が取り入れられてからは今日では様々な頻脈性不整脈に対して適応が広まっています。従来の上室性頻拍・心房粗動・心房頻拍に加え、心室頻拍・心房細動に対しても最新のマッピングシステム(3次元マッピングシステム:CARTOシステム)を使用し、積極的に行っています。治療時間は対象となる不整脈により変動します(表;カテーテル治療の概要参照)。

カテーテル治療による頻脈性不整脈(図中AFL)の停止。停止後は正常の脈(図中SR)に戻っている。
頻脈性不整脈(AFL)持続中の3次元マッピングシステムによる解析。
本システムを用いることで、頻脈性不整脈の心臓内興奮伝播様式を詳細に把握することが可能となる。本頻拍は心房内を反時計方向(図中黄色矢印方向)に旋回するものと診断した。

心房細動に対するカテーテル心筋焼灼術
循環器領域においては心房細動は生活習慣病の1つとも考えられるほど、加齢とともに生じやすい不整脈と言われています。本頻脈性不整脈に伴う症状は様々で心房細動自体は死に至る病気ではありません。しかし適切な治療が行われていない場合、「脳卒中」や「心不全」を招くことがあり、注意が必要です。当科では患者さんの生活の質(QOL)の向上を目指すことを主体に本不整脈に対するカテーテルアブレーションも積極的に行っています。

3次元マッピングシステムを使用下心房細動アブレーション
透視下[図中A): 数本のカテーテルが左心房内に挿入されている]とは異なり、心臓の解剖ならびに治療用(アブレーション)カテーテルの3次元的位置が詳細に把握できることが本マッピングシステムの長所である。
B):左心房を後ろ側より見たもの  C):左心房内から両左肺静脈を見たもの
図中B)、C) の赤点はアブレーション施行部位;術中に施行部位の記録が残せるため、心臓内のどの箇所に治療を行ったのか把握できる




































カテーテル治療(アブレーション)の概要
  心房細動 上室性頻拍
心房粗動
心室頻拍
手技時間 3(~4)時間 1.5~2時間 2~4時間
入院期間 3泊4日 2泊3日 3泊4日
成功率 75~90% ≧95~100% 80~100%
合併症(偶発症) まれ
(0.7~1%)
きわめてまれ
(<0.5%)
きわめてまれ
(<0.5%)

III) 徐脈性不整脈に対するペースメーカー治療

意識消失や失神発作、めまいなどの原因となる徐脈性不整脈に対してはペースメーカー治療が有効です。手術時間は1~1.5時間弱と短時間でペースメーカー植え込みのみの手術であれば、術後の安静も術翌日からは通常と変わりなく動けるようになります。
徐脈性不整脈のみならず、心機能が著しく低下し、種々の薬物加療でもコントロールが困難な場合は積極的にペースメーカーを利用した心室再同期療法(Cardiac Resynchronization Therapy:CRT)を行っています。本治療を行った場合、術後の心機能改善には心臓超音波(エコー)による評価が必須であるため、当院検査科とも連携をとりながら定時心臓エコー評価を行っています。

心室再同期療法前後の胸部写真
治療前 (図A))の胸部写真上心拡大・肺野うっ血が見られていたが、治療後 (図B))は心拡大ならびにうっ血改善が見られている。
ペースメーカー、除細動器植え込み後の縫合部ならびに心臓内デバイス位置関係
デバイス植え込みは通常利き腕の対側に植え込みを行う。皮膚表面と筋肉との間に本体を挿入するポケットを作成する。同ポケット内部より心臓へ通じている血管を介して心臓内 (右心房・右心室)へ人工的に刺激を行う線路 (リード)を挿入する (図A)。リードと本体をポケット内に留置し、皮膚縫合を行う (図B)。

IV) 除細動器(ICD)植え込み治療

心臓突然死をきたすような致死的不整脈(心室細動・心室頻拍)を発症する場合には除細動器(Implantable Cardioverter Defibrillator:ICD)の植え込み術を行っています。致死的不整脈が遺伝子由来の不整脈疾患(Brugada症候群、QT延長症候群、不整脈源性右室心筋症:ARVC等)からと思われる場合は積極的に京都大学、滋賀医科大学へ遺伝子検索を依頼して確定診断をつけるようにしています。

診療体制

今日の不整脈診断には欠かすことができない3次元マッピングシステム機器を導入し治療を行っています。高齢化社会に伴い近年増加傾向にある心房細動を有する患者様に対する治療を中心に診療を行っています。

担当医のご紹介

江里 正弘
  • 部長
  • 江里 正弘(エサト マサヒロ)
役職 部長
資格・専門医 日本内科学会 総合内科専門医
日本循環器学会 専門医
日本不整脈心電学会 不整脈専門医
日本不整脈心電学会 植込み型除細動器(ICD)/ペーシングによる心不全治療(CRT)研修修了証取得
医学博士
所属学会 日本内科学会
日本循環器学会
日本心電図学会
日本不整脈心電学会

履歴 (大学卒業後) ;

期間 病院名及び診療科名
1992年3月 東京慈恵会医科大学卒業
1992年4~月2005年3月 山口大学医学 部附属病院循環病態内科学
(1999年10月-2000年9月;東京都立広尾病院循環器科勤務)
2005年 4月~2008年12月 ドイツ・ライプチヒ ライプチヒハートセンター不整脈部門
2009年1月~2010年 10月 康生会武田病院 (京都府) 不整脈治療センター
2010年11月~2019年11月 医仁会武田総合病院 (京都府) 不整脈科
2020年1月~ 大垣徳洲会病院 循環器内科不整脈部門
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